オオバコとサイリウムの違いとは?
注目の健康効果と使い方を徹底解説
2024.3.1
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サイリウムってライブで使うペンライトみたいなもの?
あ!植物の方っスね(汗)
オオバコ(サイリウム)で健康ライフをさらに満喫できるかも!?
「サイリウムとオオバコではなにが異なるのか」
「サイリウムを摂取するときの注意点について知りたい」
上記のような疑問やお悩みをかかえていないでしょうか。
お菓子やダイエットメニューの作り方を調べる際に、オオバコやサイリウムについて目にした方も多いでしょう。
本記事では、オオバコとサイリウムの違いや効果、正しい使い方について解説します。摂取する際に注意すべきことについてもお伝えするため、ぜひ参考にしてみてください。
健康志向で注目!
オオバコとサイリウムとは
オオバコとは、日本全土に生息する野草の一種です。車が通ったあとや、人が歩いたあとによく生えることから、別名「車前草(しゃぜんそう)」とも呼ばれています。
オオバコとサイリウムの違い
オオバコとサイリウムは何が違うのか、と疑問を感じる方も多いでしょう。実は、サイリウムは200種類以上あるオオバコ属のなかのひとつです。
日本で販売されているサイリウムの多くは、オオバコ属の「プランタゴ・オバタ(英名:サイリウム)」の種子の殻(ハスク)を粉末状にしたもので「サイリウムハスク」と呼ばれています。
サイリウムハスクは食物繊維が豊富
サイリウム(サイリウムハスク)は食物繊維が豊富です。
食物繊維には水分を吸収して膨張する性質があるため、サイリウムを食べ物や飲み物に混ぜて摂取すると満腹感を得やすいでしょう。
サイリウムの摂取量の目安は、1食あたり4~8gなど、商品によって異なります。内閣府の食品安全委員会によると、1日あたりの摂取限度は10.2gとされています。※1
日本人の食事摂取基準によると、生活習慣病の発症予防の観点から定められた、成人における理想的な食物繊維の摂取量は1日あたり24g以上です。※2令和元年国民健康・栄養調査の結果では、日本人の食物繊維摂取量は不足しがちとされています。※3
食物繊維の摂取量が少ないと、腸内環境の悪化により便秘を引き起こしやすくなります。普段の食生活において「食物繊維が豊富な野菜や果物、キノコ類などを摂取できていない」と感じる方は、サイリウムを取り入れることで食物繊維を効率的に摂取できるでしょう。
オオバコ(サイリウム)の健康効果
オオバコの健康への効果は、食物繊維(不溶性・水溶性)によるところが大きいでしょう。
オオバコ由来の食物繊維が含まれている製品のなかには、特定保健用食品として表示許可を得ているものもあります。
便秘の改善
不溶性・水溶性の食物繊維は、ともに腸内細菌により分解され、ビフィズス菌や乳酸菌などの「善玉菌」のエサとなります。
善玉菌の割合が増えれば腸内環境の改善につながるため、便秘にお悩みの方は食物繊維を積極的に摂るといいでしょう。
コレステロール値の低下
軽度・中等度の高コレステロール血症患者におけるオオバコの効果を調べた研究では、実験開始後12週目に総コレステロールで8%、LDLコレステロールで11%の減少が確認されています。
上記の結果から、サイリウムはコレステロール値の低下に役立つといえるでしょう。
急激な血糖値上昇の抑制
サイリウムとパン(炭水化物)を食べたグループと、パンのみを食べたグループを比較した研究では、パンとサイリウムを食べたグループのほうがGI値が低くなることがわかっています。
GI値とは、グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食後の血糖値上昇度を表す指数のことです。GI値の高い食品には、ご飯やパン、麺類などの主食が挙げられます。つまり、サイリウムには食後の血糖上昇を緩やかにする作用があるといえます。
血糖値の急な変化は血管にダメージを与える原因となるため、血糖値の急激な上昇を抑えることは、動脈硬化をはじめとする生活習慣病を防ぐことにつながるでしょう。
オオバコ(サイリウム)の効果的な使い方
ここでは、オオバコ(サイリウム)の効果的な使い方について解説します。
日々の生活にオオバコを取り入れたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
好みの飲み物に溶かす
コーヒーやフルーツジュースなどの好みの飲み物にオオバコを溶かすと、オオバコ特有の味や香りがまぎれて摂取しやすいでしょう。
シンプルに水に溶かして飲む方法もありますが、独特な味のため、継続するためには自身の好みに合わせ、飲み方の工夫が必要な場合もあります。
お菓子作り・料理に活用する
オオバコには水分を保持する性質があるため、もっちりした食感のおやつや食事を作る際に活用できます。
たとえば、ホットケーキやお好み焼き、チヂミなどの生地にオオバコを混ぜるともちもちの食感になるためおすすめです。
食物繊維は現代人に不足しがちな成分ですが、普段のおやつや食事にオオバコを活用すれば手軽に必要な栄養素を摂取できるでしょう。
ダイエットに活用する
オオバコには水分を吸収して膨張する性質があるため、水と混ぜると膨らんでゼリー状になります。料理に使用したり飲み物に混ぜたりすると満腹感を得やすく、ダイエットのサポートに役立つでしょう。
糖質制限やカロリー制限中の空腹によるストレスを軽減したい方は、ぜひオオバコを活用したダイエットレシピを試してみてください。
オオバコとおからパウダーで作るパンケーキや、オオバコと水を混ぜて練ったわらび餅風のスイーツもおすすめです。
オオバコ(サイリウム)摂取時の注意点
オオバコ(サイリウム)を摂取する際は、次の点に注意しましょう。
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
1日の摂取上限量を守る
オオバコは安全な食品だといわれていますが、摂りすぎると下痢や胃の痛みなどを引き起こす恐れがあります。
摂取する際はパッケージに記載されている摂取上限量を必ず守りましょう。
必ず溶かしてから摂取する
オオバコには水分を吸収する性質があるため、必ず溶かしてから摂取しましょう。
オオバコを溶かさずにそのまま摂取すると、消化管内の水分を吸収して膨張し、お腹の張りや便秘につながる場合があります。
薬の服用・通院中は摂取前に医師に相談する
オオバコの摂取により、一部の医薬品の吸収率が低下する場合があります。
また、大腸がんや腸閉塞、食道狭窄などで治療を受けている方では、病状を悪化させてしまう恐れがあるため、オオバコの摂取はできません。
薬を服用中の方や通院中の方は、オオバコを摂取する前に医師に相談しましょう。
サイリウムとは、200種類以上あるオオバコ属のなかのひとつです。
日本で販売されているサイリウムは、一般的にオオバコの種子の殻を粉末状にしたものを指し、お菓子作りや料理に多用されています。
オオバコには食物繊維が豊富に含まれるため、便秘の改善をはじめ、コレステロール値や急激な血糖値上昇の抑制など、生活習慣病の対策においても効果が期待できるでしょう。
日常生活にオオバコを取り入れ、日本人に不足しがちな栄養素である食物繊維を効率的に摂取しましょう。
参考文献
※商品の情報は公式ホームページを参考にしています
管理栄養士 松浦ひとみ
大学にて応用栄養学、食品科学に加え栄養教育など幅広く学び、管理栄養士免許、栄養教諭免許を取得。卒業後、給食提供だけでなく、食育、アレルギー対応、離乳食講座や食事の指導・相談・提案などへ重点的に取り組む保育園の管理栄養士として勤務。さらにオンラインフードクリエイターの資格取得後は、フードライターとして料理写真の撮影やWeb上メディアにて記事執筆、レシピ開発・監修のほか、オンライン食事指導など、フリーランス管理栄養士として活動する。